普段何気なく生活している中で、頭の重さがどれくらいかご存じの方は少ないのではないでしょうか?生後三か月から首が座るようになり、そこから頭を支えることが始まります。長い期間頭を支えることを必要とするので、頭の位置は重要となってきます。それでは意外と知らない頭の重さについて理解していきましょう。
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頭の重さはどれくらい?
人間の頭の重さは、体重によってばらつきはありますがおよそ体重の10%程度と言われています。5kg~8kgといったところでしょうか。これを初めて知った方は意外と重いなと感じると思います。私も学生の頃知った時は、驚きました。例えで良く使いますが、お米を想像していただくと、わかりやすいかと思います。頭がお米だとして、常に担いでいるとすると、頚、肩回りが疲れますよね。それだけ頸椎への負担も大きくなります。常にこれだけの重さを支えるということは、日常生活によって様々な影響を与えます。
どんな人に影響があるの?
A 長時間のスマホ操作
今や生活に欠かせない携帯電話ですが、これは現代病の一つかもしれません。私が幼少の時代はそこまで携帯が普及していませんでしたが、一人一台持つ時代となり、気を付けないと知らぬ間に頭痛を引き起こしていたなんてことが起こります。頭が前に下がり、自然とうつむき姿勢となり、頭が体から離れることで頚部に大きな負担がかかります。 首が前に倒れれば倒れる程頚部への負担が増大するので、頭が重いといった症状が生じます。
B デスクワーク作業
長い時間のパソコン作業も代表的悪い姿勢となりやすいです。前にかがみながら、頚部が上がっていたりすると、より負担が大きい状態です。後頭部が痛いという方は、この姿勢をとっている可能性があるので注意が必要です。また後頭部から頭頂部まで頭が重く感じるという方もいると思います。同じ姿勢での手の作業により、肩甲骨も前傾(前かがみ)しやすく、頭を支える土台がなくなり、頭痛へと影響を及ぼします。
C タクシー運転手
ストレートネック(首がまっすな状態)となる方が非常に多いです。脊椎は、頸椎7・胸椎12・腰椎5・仙骨・尾骨から構成され、弯曲することで衝撃吸収する役割があります。長時間ドライブの同じ姿勢により、脊椎の弯曲が失われ、脊椎一つ一つの骨に負荷がかかります。これが肩痛、頚部痛、しびれ、腰痛、頭痛などの症状を引き起こします。
悪影響の結果生じることはどんなこと?
先ほど説明したような生活状態が続くことで、知らぬ間に筋肉や関節に大きな負荷をかけることになります。頸椎は関節・靭帯・筋肉・椎間板・神経・動脈で構成されます。負荷に耐えきれなくなることで、骨の変形や腕への痺れ、動脈の血流障害によるめまいなどを引き起こします。日々の積み重ねにより症状が引き起こされるので、症状がなくとも、姿勢には気を付けた方が良いでしょう。ここで大事なのは重たい頭をどこで支えるかです。
対処法は?
これをしておけが大丈夫だということはないので、お勧めの方法をいくつかご紹介したいと思います。
- 姿勢を正す(良い姿勢≠楽な姿勢)
- 頚部の体操・ストレッチを行う
- 頚部の筋力強化を行う
- 椅子や机、PCの位置を調節する
- 枕を調節する
多くの方は『良い姿勢=楽な姿勢』ではないと答える方が多いですが、実はそうではありません。良い姿勢を習得している方は、自然と体幹が働きやすい状態となっているため、余計な身体の部位に力が入らずにすみます。逆に、楽ではないと感じる人の多くは、自分といつもと違う姿勢に違和感を覚える人が多いようです。しかし、楽な姿勢(いつもの悪い姿勢)を続けると、体幹は働きにくい状態となるため、余計なところで体を支えることが必要となり、筋の緊張が高まります。ですので、普段の姿勢から気をつけましょう。
また頚部の筋力を鍛えることができるの?と疑問に思う方もいるかと思います。格闘家やラグビーの選手が首を鍛えるイメージが強いですが、一般の方でもとても重要となります。一番初めに話したように、生後3ケ月の赤ちゃんは、首が座る前は身体を反らすことが多いですが、首がすわると反らさなくなるのは、頚部の前の筋肉が発達するからです。頭が前にかがむ程、後頭部の筋が過剰に働き、前部の筋肉は緩むことになります。頭を支えるのに重要なのは頚部の前部の筋肉となります。ですので、筋力強化することをお勧めします。強化の詳細は、リハビリの改善法のところで紹介しますのでぜひそちらも一緒にご覧下さい。